薬屋のひとりごと第32話｜皇太后の「呪い」の真相とは？

アニメ『薬屋のひとりごと』第32話では、皇太后の衝撃的な問いかけ「私は、先の帝に呪いをかけたのかしら？」を皮切りに、物語の核心に迫る展開が描かれました。

猫猫は、自身への奇妙な噂を晴らすために雑木林を訪れますが、そこで目撃したのは皇太后の診療所行き。その後、翡翠宮にて皇太后直々の依頼を受け、先帝の「呪い」の謎に挑むことになります。

腐敗しない先帝の遺体、皇弟・壬氏の出生をめぐる疑念、そして杏の堕胎剤事件の裏に潜む存在――複数の伏線が絡み合い、後宮の陰謀がさらに深まる一話となりました。

腐らぬ遺体の謎に挑む猫猫──「呪い」の正体とは

後宮に持ち上がった衝撃的な噂――「先帝の遺体は、一年経っても腐っていない」。

まるで時間が止まったかのように、亡き帝の姿はそのまま保たれていたのです。

皇太后はそれを目の当たりにし、自身の想いが呪いとなったのではと、猫猫に問いかけました。

先帝の遺体がまったく腐敗していないという異常事態は、自然な死とはかけ離れた現象です。

冷凍保存された形跡もなく、防腐処置も施されていなかったにもかかわらず、遺体はまるで生前のまま。

皇太后は、この異常に不安を覚え、自身の“呪い”が働いたのではと口にしますが、猫猫はそれを「自然現象や薬による可能性」として冷静に捉えようとします。

猫猫は、先帝が亡くなった部屋が鍵を握ると考え、皇太后の侍女とともに現場へ向かいます。

そこは、帝が過ごすには似つかわしくない、奇妙に荒れた部屋でした。

壁には黄ばみが残り、床には赤や黄色の染みが広がっているという、まるで何かが長年染みついていたような空間です。

猫猫は、部屋に入った瞬間から鼻をつく臭いに違和感を覚えます。

薬の専門家としての直感が、何か異質なものを告げていたのです。

この臭気と部屋の状況から、猫猫は「呪い」ではなく、何らかの薬剤が使われた可能性を想定し始めます。

猫猫は、あくまで科学と観察に基づいて謎を解こうとする人物です。

皇太后の言う「呪い」が、彼女の後悔や強い思いから来ているにすぎないとすれば、それは人の心が作り出す幻想。

それを打ち消すためにも、猫猫は真実を突き止めなければならないと、静かに決意を固めるのです。

先帝の遺体はなぜ腐敗しなかったのか？

本来、人の遺体は死後数日で腐敗が始まり、数週間もすれば目に見えて変化が現れます。

しかし、先帝の遺体は、霊廟に安置されてから一年経っても、まるで眠っているかのように保たれていたのです。

これは、生物学的にも極めて異常な現象といえるでしょう。

まず考えられるのは、防腐処置や冷凍保存といった外的な処理です。

しかし、猫猫が確認したところ、氷漬けにした形跡も、ミイラ化させるような防腐薬の使用も見当たりませんでした。

つまり、「意図的な処置」があったとすれば、それはもっと見えにくいもの、あるいは環境による影響か、身体の内部から起きた変化である可能性が高いのです。

猫猫の脳裏によぎったのは、薬品や毒物による内臓の変質でした。

例えば、ある種の植物毒には、血液の循環や分解酵素の働きを抑制し、腐敗の進行を遅らせる効果を持つものもあります。

また、特定の金属成分や鉱物を含む薬剤も、遺体の保存に影響を与えることがあるとされています。

つまり、先帝は死後ではなく「生前」に、何らかの薬物を摂取していた可能性があるのです。

それが毒であったか、治療薬であったかはまだ不明ですが、遺体が腐らなかった理由を解くカギは、彼の体内に残された“何か”にあると猫猫は踏んでいます。

呪いではなく、化学的な作用──それが猫猫の見立てでした。

皇太后の「呪い」という言葉の真意

「私は、先の帝に呪いをかけたのかしら？」

この一言は、皇太后が猫猫に向けた言葉の中でも、ひときわ重く響くものでした。

それは単なる比喩ではなく、本気でそう思っているからこそ、猫猫に真実を解明してほしいと願ったのです。

皇太后は、政治的に強い立場にある一方で、母として、そして妻として、先帝との関係に大きな葛藤を抱えていました。

特に、先帝が冷酷な性格で、少女のみを寵愛し、大人の女性には関心を示さなかったという噂がある中で、彼女がどのような思いで夫と接していたのかは、想像を絶します。

そのような夫に対し、「いなくなればいい」と一度でも強く願ったことが、本当に“呪い”になってしまったのではないか――そう思うほど、皇太后の心には罪悪感が渦巻いていたのです。

しかし猫猫は、その言葉を聞いても動揺せず、むしろ理性的な視点から真相を見極めようとします。

猫猫にとって重要なのは、人の思いではなく、証拠と事実です。

「呪い」とは、原因が見えない死や災いに対する人間の恐れや無力感から生まれる言葉にすぎません。

皇太后がそのように考えるのは自然なことであり、むしろ真実に向き合おうとする姿勢が伺える発言でした。

だからこそ、彼女は猫猫を信じ、帝の死に何があったのかを明らかにしてほしいと願ったのです。

この問いは、“呪い”に翻弄される人間の脆さと、それを超えていこうとする理性のぶつかり合いでもありました。

猫猫が見た先帝の部屋の異様な光景

皇太后の侍女に案内され、猫猫はついに先帝が亡くなった部屋の前に立ちます。

そこは、かつて帝が過ごしていたはずの空間――しかし、扉を開いた瞬間、猫猫を迎えたのは、異様な光景と異臭でした。

「皇帝の私室とは思えない」ほどの荒れた様子に、猫猫の表情は一気に険しくなります。

床には、赤や黄色の染みが点々と残り、何かを引きずったような跡も見られました。

壁は不自然に黄ばみ、湿気やカビのような気配も漂っており、まるで時間が止まってしまったかのような異空間。

さらに、部屋の一角には使いかけの筆のようなものが転がっており、何に使用されたのか見当がつかない状態でした。

猫猫が最も強く反応したのは、鼻を突く独特の匂いです。

薬や毒に精通する彼女にとって、それはただの「古い部屋のにおい」では終わらないものでした。

部屋の空気には、何かしらの揮発性成分が残っていた可能性があり、それが遺体の腐敗を遅らせた一因であると推察します。

猫猫はこの部屋に対し、「生きる人間の空間ではない」と感じました。

それはつまり、この部屋自体が、既に“死”を前提とした場だったのではないかという仮説を抱かせるものでした。

そうであれば、先帝の死は偶然でも呪いでもなく、何者かの意図によって用意された“結果”である可能性も否定できません。

この異様な空間が示すのは、単なる死の痕跡ではなく、死に至るまでの過程に仕組まれた何か。

猫猫はこの部屋から、目に見えない情報を拾い集め、やがて一つの「お願い」を口にするに至るのです。

皇弟・壬氏の出自に潜む後宮の闇

華やかな後宮の奥深くには、表には出せぬ秘密と陰謀が渦巻いています。

その中心のひとつが、皇弟・壬氏の出自をめぐる謎です。

皇太后、そして壬氏本人にとっても、この真実は心の奥にしまい込まれた“禁忌”ともいえる問題でしょう。

物語の第31話では、皇弟の正体が壬氏であるという事実がついに明かされました。

華やかな美貌と飄々とした振る舞いで知られる壬氏が、実は皇族の血を引く人物だったとは、多くの読者・視聴者にとっても驚きだったことでしょう。

しかし同時に、それは新たな疑念の始まりでもありました。

なぜ、彼の身分が長らく隠されてきたのか。

それは単に政の都合や身の安全のためではなく、“出自そのもの”に危うさがあったからにほかなりません。

つまり、壬氏は、本当に先帝の子なのか？という疑問が浮かび上がるのです。

皇弟という高位にありながら、その存在が微妙な立場にある壬氏。

この出自の問題は、彼の人生と政治的地位を左右するだけでなく、後宮の権力構造そのものにも深く関わってくる重大な問題です。

そしてそれを知っていながら口を閉ざしてきた皇太后の沈黙もまた、意味深なものに思えてなりません。

皇弟は本当に先帝の子なのか？

後宮でささやかれる最も根深い噂のひとつ――それは、「皇弟・壬氏は、先帝の実子ではないのではないか」という疑念です。

この噂の根拠となっているのが、先帝の極端な女性の好みにありました。

彼は、大人の女性にほとんど興味を示さず、幼い少女だけを寵愛していたことで悪名高い存在だったのです。

そんな先帝が、30歳を過ぎた皇太后に子をなすとは考えにくい――それが、宮廷内外で広まった推論でした。

つまり、皇太后が産んだ壬氏は、「実は不義の子なのではないか」という疑いをかけられていたのです。

この噂が公に語られることはありませんが、陰では多くの者がその真偽を測りかねていたことでしょう。

この疑念は、単なるゴシップでは済まされません。

王朝において、血統の正当性は国の根幹に関わる重大事項です。

壬氏が皇族の血を引いていないとすれば、その存在そのものが王朝の正統性を揺るがしかねないのです。

それゆえに、皇弟の出生の問題は、誰も軽々しく触れられない「後宮最大のタブー」とも言える存在となっていました。

猫猫もまた、この噂の背景にある事実を掘り下げていく中で、皇太后が何を守ろうとしていたのか、その心情に触れていくことになります。

阿多妃の息子と壬氏、取り違え説の真相

壬氏の出自を巡る謎の中で、極めて重要な手がかりとなるのが、「阿多妃の息子と壬氏が取り違えられた可能性」です。

この仮説は、アニメ第11話『二つを一つに』で初めて示唆され、視聴者に大きな衝撃を与えました。

一見無関係に見える妃と皇太后、そして二人の子――しかし、そのつながりは想像以上に深いものでした。

阿多妃は、帝の寵愛を受け男児を出産しましたが、侍女が与えた“蜂蜜”により死亡したと報告されます。

しかしその死には不自然な点が多く、「本当に死んだのか？」「別の目的で死を装ったのではないか？」という疑念が残されています。

つまり、阿多妃の子は実際には死んでおらず、密かに別の身分として育てられた可能性があるのです。

そして、皇太后が育てていた壬氏こそが、その“阿多妃の子”だったという説が浮上します。

この仮説が真実であれば、壬氏は皇太后の実子ではなく孫であり、彼女が“母”として育てたのは血筋を守るための仮面だったことになります。

なぜ、皇太后はこの秘密を明かさず、壬氏を皇弟として育てたのか。

そこには、後宮の勢力図や王朝の安定を守るための、沈黙という名の選択があったのかもしれません。

この“取り違え説”は、物語の真相に迫る重大な鍵であり、今後の展開において避けて通れないテーマとなることでしょう。

皇太后が沈黙を貫く理由とは

壬氏の出自にまつわる「取り違え説」や、先帝の死の真相を知っていながらも、皇太后は一切を語らず、沈黙を貫いてきました。

その沈黙の裏にある理由とは、果たして何なのでしょうか。

そこには、ひとりの女性としての葛藤と、王朝を背負う者としての覚悟が交差しています。

仮に壬氏が本当に孫であるならば、皇太后は自らの子ではない皇弟を育て上げたことになります。

それは単なる慈悲や情だけでは成し得ない決断です。

彼女が沈黙を選んだのは、壬氏の立場を守るため、そして彼に確固たる地位を築かせるためだったのでしょう。

一方で、もし真実を語ってしまえば、それは後宮に火種を投げ込むことに等しい行為です。

血統の正当性が揺らげば、王朝そのものの信頼も崩壊しかねないのです。

だからこそ皇太后は、真実を知っていたとしても、決してそれを口にすることはできなかったのだと考えられます。

また、壬氏に対する彼女の態度からは、実の子以上の情愛すら感じ取れます。

それは「孫」であることを知っているからこそ、より一層強くなった愛情だったのかもしれません。

沈黙は罪ではない――守るべきものがあるからこその沈黙。

猫猫は、そんな皇太后の沈黙の意味を察しながらも、事実に向き合おうとする姿勢を貫きます。

そしてこの沈黙が破られるとき、後宮全体を揺るがす真実が姿を現すのかもしれません。

堕胎剤事件の違和感と「教えた人物」の存在

第32話の終盤、猫猫は北の雑木林で咲く一輪の花を見て、ある過去の事件に思いを馳せます。

それは、梨花妃の元侍女頭・杏が関与した堕胎剤の使用事件でした。

一度は終わったかに見えたこの事件に、実はまだ解かれていない“裏”があることに、猫猫は気づき始めるのです。

猫猫の注意を引いたのは、雑木林に咲いていたおしろい花。

この植物は、堕胎作用を持つ有毒成分を含むことで知られています。

後宮にはこのような植物が自然に自生しており、猫猫からすれば、堕胎剤を調合すること自体は難しくないと考えられる環境でした。

にもかかわらず、杏はわざわざキャラバンを通じて薬の材料を手に入れていたのです。

この点が、猫猫にとって非常に不自然に映りました。

杏は薬の専門家ではありません。複雑な薬草の選定や調合を自力で行えるはずがないのです。

つまり、杏には堕胎剤の知識と手段を“教えた人物”がいた。

そしてその人物は、意図的に杏を利用し、ある目的を果たそうとした可能性があります。

それが偶発的な流産ではなく、梨花妃の子を意図的に葬るためだったとしたら――事件の意味はまったく違ってくるのです。

この違和感は、猫猫の中で新たな疑問を呼び起こします。

そしてそれは、後宮に潜む見えざる策略の存在を示唆しているようにも思えました。

堕胎剤事件は、単なる過去の出来事ではなく、今も続く陰謀の“入口”にすぎないのです。

杏が使った堕胎剤の材料に疑問を持つ猫猫

北の雑木林で咲くおしろい花を見た猫猫は、過去に起きた堕胎剤事件を思い返します。

それは、梨花妃のもとで侍女頭を務めていた杏が、密かに堕胎剤を使っていたという事件です。

一件落着とされたこの出来事に、猫猫は今も釈然としない疑問を抱えていたのです。

猫猫の疑念の出発点は、杏が使用した堕胎剤の“材料の入手経路”でした。

後宮の周辺には、おしろい花をはじめ、牡丹、鳳仙花、鬼灯、芍薬といった薬効を持つ植物が豊富に育っています。

薬に詳しい者であれば、それらを活用して比較的簡単に堕胎剤を調合することが可能です。

しかし杏は、キャラバンを通じて特殊な薬草を仕入れていたのです。

薬の知識がない彼女が、なぜそんな手間のかかる方法を取ったのか。

猫猫は、その点に強い違和感を抱きます。

また、使用された薬草の種類にも不審な点が見受けられました。

それは、現地で採取できる薬草ではなく、交易でしか手に入らない異国の成分が含まれていた可能性を示唆しています。

そのことから、猫猫は「誰かが杏に薬の知識を与え、計画的に行動させていた」と推測します。

つまり、杏は単なる加害者ではなく、誰かの“駒”として動いていたのではないか。

この視点から見れば、堕胎剤事件は単独犯によるものではなく、後宮の深層に関わるより大きな陰謀の一端と考えられるのです。

後宮に潜む薬の知識を持つ人物とは

猫猫が杏の堕胎剤使用に違和感を抱いた最大の理由は、使用された薬の知識が、明らかに素人のものではなかったという点です。

薬効の強い成分を正確に選び取り、効果を最大限に引き出す調合法は、猫猫のような専門家でなければ扱えないはず。

つまり、後宮のどこかに、薬に精通した人物が潜んでいるという疑いが浮かび上がったのです。

では、その人物とは誰なのでしょうか？

猫猫のように薬学を深く理解し、なおかつ後宮の事情にも通じている者――それは極めて限られた存在です。

医官、侍女長、妃の側近、あるいは過去に罰を受けた毒の専門家などが候補として挙げられます。

特に注目すべきは、かつて後宮に存在していた毒使いの影です。

過去に処刑されたとされる人物の中には、薬草や毒に詳しい者が存在していました。

記録から抹消されている可能性もあり、その“残党”のような存在が、後宮に潜伏していても不思議ではないのです。

また、事件が梨花妃の周辺で起きたことから、梨花妃を取り巻く勢力の誰かが背後で動いていた可能性も否定できません。

派閥争いが絶えない後宮では、薬や毒は時に最も静かで確実な“武器”となります。

猫猫がその正体にたどり着くには、さらに深く後宮の闇を掘り下げなければならないでしょう。

事件の核心には、薬を知る者と、権力を欲する者の“共犯”という、より複雑な構図が隠されているのかもしれません。

目的は流産だけではない？後宮内の権力争い

表向きは“堕胎剤を使った侍女の単独犯”として処理された杏の事件。

しかし猫猫は、それが単なる私情や過失ではなく、後宮内の権力争いに利用された計画的な策略だった可能性に注目しています。

なぜなら、対象が梨花妃だったからです。

梨花妃は、後宮の中でも帝の寵愛を受けた有力な妃であり、その妃が懐妊していたという事実は、派閥の力関係を大きく左右するものでした。

彼女が子を産めば、皇子が生まれる可能性もあり、その存在が一気に後宮内の権力地図を塗り替えることになったかもしれません。

それゆえ、梨花妃の懐妊は“邪魔”だと考える勢力が動いたとしても不思議ではないのです。

堕胎剤の使用は、そのような勢力による“見えない攻撃”だった可能性が高い。

表向きには侍女が勝手にやったこととされましたが、裏では明確な指示や知識の供与があったのではないか。

それこそが猫猫の疑念であり、事件の“真犯人”はまだ表に出てきていないのです。

そして、この事件の恐ろしい点は、「殺さずに失脚させる」という後宮ならではの戦略が見て取れることです。

直接的な殺害ではなく、母となる未来を断つことで、静かに妃の地位を奪う――その残酷なまでの冷静さは、まさに後宮の闇を象徴していると言えるでしょう。

猫猫がこの事件に違和感を抱いたのは、単なる感情ではなく、後宮における“闘争の論理”を知っているからこそでした。

この事件の背後には、まだ語られていない勢力の動きが隠れている。

猫猫はその糸を手繰りながら、さらなる謎の核心へと近づいていくのです。

薬屋のひとりごと第32話｜深まる謎と猫猫の「お願い」まとめ

第32話『皇太后』は、これまで点在していた数々の謎が交錯し始める重要な回でした。

皇太后が語る「呪い」の不安、壬氏の出自をめぐる沈黙、そして堕胎剤事件の裏に潜む策略――それぞれの真相が、少しずつ姿を現しつつあります。

そしてそのすべてを繋ぐ存在が、猫猫なのです。

物語の終盤、猫猫は皇太后の侍女に向かって、静かにこう口にします。

「ひとつお願いがあります」――それは、先帝が亡くなった部屋に関するものでした。

この一言は、猫猫が部屋の異様な状況から何かを掴んだことを示唆しています。

猫猫の観察力と薬学の知識は、常に人の思い込みを超える事実を導き出してきました。

今回もまた、“呪い”という曖昧な不安を、理性と科学で切り裂こうとしているのです。

この「お願い」の意味するところが明かされるとき、先帝の死の真相もまた浮かび上がることでしょう。

また、壬氏の正体や堕胎剤事件など、複数の伏線も同時に進行しており、後宮をめぐる陰謀はますます深みを増しています。

猫猫が一歩踏み出すたびに、真実が揺れ動き、誰かの秘密が明らかになる。

それは同時に、彼女自身の運命をも左右する選択へと繋がっていくのかもしれません。

次回、猫猫の「お願い」が明かされることで、何が動き、何が崩れるのか。

謎の真相と、後宮の均衡――その両方に、緊張感が高まっていきます。

今後の展開からも、ますます目が離せません。